知らないと損をする!? 企業によるNPO向け社会貢献プログラム

企業の社会貢献やCSRが定着するにしたがって、さまざまな企業から非営利団体を対象にした割引プログラムや製品・サービスがぞくぞくとリリースされています。歴史のあるものから新しいものまで、知らないと損をする製品・サービスをまとめてみました。

TechSoup(運営:日本 NPO センター)

TechSoup(テックスープ)は、非営利団体を対象にIT製品・サービスの寄贈やサポートを行うプログラムです。運営は日本NPOセンターが行っていますが、21の企業・プログラムが参加しています。マイクロソフト製品やアドビ製品が手数料だけで手に入るほか、オンライン会議/ウェビナーサービスのZOOMやアマゾンウェブサービスの割引サービスなどが申請できます。

Google for Nonprofit(グーグル)

グーグルの「Google for Nonprofit」では、Gmailやドキュメント、カレンダー、ドライブなどのビジネスアプリが無料で使える「G Suite for Nonprofit」、テキストベースの広告が毎月10,000ドル分無料で出稿できる「Google Ad Grants」のほか、「YouTube 非営利プログラム」と「Google EarthとGoogleマップ」を非営利団体向けに提供しています。このプログラムに参加するには、TechSoup に登録しておく必要があります。特定非営利活動法人、社会福祉法人、公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人(非営利型法人)が対象です。

チーム応援ライセンス(サイボウズ)

サイボウズは、NPO法人や任意団体にクラウドサービスcybozu.comを特別価格で提供しています。対象サービスは、業務に応じたアプリを簡単な操作で構築できるクラウドツール「kintone(キントーン)」、大企業向け管理機能を搭載したグループウェア「Garoon(ガルーン)」、スケジュール、掲示板など定番機能をそろえた中小企業向けグループウェア「サイボウズOffice」、届いたメールを複数人で共有できるツール「メールワイズ」です。サイボウズ製品の利用が財政的に難しい団体でも、このプログラムで業務効率化、チームワークを高めることができます。

支援キャンペーン(ACジャパン)

みなさんご存知のACジャパン。ACジャパンには非営利団体の広告活動を支援する「支援キャンペーン」があります。ACジャパンは無料という解説をよく見ますが、支援キャンペーン実施諸規則にも「団体は所定のキャンペーン参加料を負担する財力を有すること」とあるように、費用負担が必要になります。私の記憶では映像制作やデザインなどのクリエイティブに年間1,000万円以上の負担が必要だったはずです。申請〆切は毎年7月末。申請用紙は公開されておらず、申請するためにはACジャパンの事務局に訪問・面談の必要があります。

非営利団体サポートプロジェクト(PR TIMES)

プレスリリースの配信サービスを展開する株式会社PR TIMESが、CSR活動として社会貢献活動に取り組む非営利団体にプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の無償提供を行っています。プレスリリース配信では国内No.1を誇るサービスを無償で活用できるのは非常に魅力的です。2022年7月7日にプロジェクト内容がアップデートされています。条件を満たした設立5年以上の団体であれば、無期限でプレスリリース配信サービス「PR TIMES」が利用できます。設立5年未満の団体でも、 1年間無償で利用できます。なお、PR TIMESではスポーツ団体向けの「SPORTS TIMES」という支援プログラムもあります。

お宝エイド(TMコミュニケーションサービス)

物品寄付(もったいない寄付)の取り組みを検討している非営利団体であれば、お宝エイドへの参加が選択肢のひとつになりそうです。独自に物品寄付プログラムを実施しようとすると寄付品を保管するスペース、仕訳、買取業者とのやり取りなど体制づくりに手間がかかります。お宝エイドではその手間を削減できるかもしれません。切手や貴金属、ブランド品から骨董品、楽器など寄付対象品が多岐にわたっているのも魅力です。

社会貢献体験(Airbnb)

民泊仲介サービスAirbnbの「社会貢献体験」も、NPOやNGOが活用できるサービスになります。現地の社会をよくする活動を体験するための参加費用はすべて非営利団体に直接振り込まれ、ファンドレイジングになります。非営利団体のスタッフ、契約者、メンバー、役員、ボランティアであれば、ホスト(主催者)になれます。活動見学会、交流体験、ボランティア体験などの開催が考えられます。

Benchmark(ベンチマーク)

ドラッグ&ドロップだけで誰でも簡単にHTMLメールが作成できるメール配信システム「Benchmark」。無料トライアルもあるのですでにメールマガジンの配信などに活用している非営利団体も多いかもしれません。Benchmarkは非営利団体であれば25%割引で利用できます。HTMLメールであれば、魅力的なデザインのメールマガジンを作成できるだけでなく、開封、エラー、クリックなどの指標が確認でき、メールマガジンの改善にもつながります。

非営利団体にとってこれらの製品・サービスは非常に強力な味方になることは間違いありません。これらを上手に活用して、効果的なファンドレイジング、広報、業務効率化、組織基盤の強化につなげていきたいですね。

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