石井大輔(いしいだいすけ)
ファンドレイジングのレシピ 代表
ファンドレイジングコーディネーター/フィランソロピーコーディネーター
略歴
1978年2月、神奈川県生まれ。大阪府在住。富士通でコンサルティング営業・マーケティング、ゼネラル・プレス(現YUIDEA)で環境報告書やCSR報告書の営業・編集を経て、国際協力NGO・シャプラニールで広報・渉外、バングラデシュ駐在員などを経験。非営利組織には中間支援NPOの事務局などを含め通算9年在籍。2016年にフリーランスになり、NPOや市民活動の広報やファンドレイジングの”困った”を解決する伴走型支援に取り組む。趣味は、旅、読書、スポーツ観戦など。立命館大学経済学部卒業、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科(MBA in Social Design Studies)修了。
パーソナルヒストリー
幼少期から小学生
くりくりとした天然パーマで「女の子みたい」と言われていたか定かではありませんが、絵画教室、書道教室、柔道といった様々な習い事をやっていました。なかでも、カブスカウト(ボーイスカウト)での河川の清掃や町中のカーブミラー清掃といったボランティア体験は、非営利組織にかかわる原体験なのかもしれません。長く続いた習い事は書道。幼稚園年少(硬筆)から高校2年までの11年くらい続けました。でも字はあまりうまくありません。
中学生から高校生
中学ではテニス部(軟式)、高校では弓道部。ただ、あまり出席した記憶がなく、完全な幽霊部員、帰宅部であるのが本当のところ。テニスは小学生から始めるひとは少ないし、弓道も中学生からやっている人はそんなにいないので、少しでも活躍できるかな、と。阪神淡路大震災が起きたのが高校2年生。骨折して入院していたときに地震が起きたので、ずっとテレビで見ていたのを覚えています。
浪人を経て大学へ
1年間の浪人生活を経て、立命館大学へ進学。大学では経済学(労働経済のゼミ)を専攻。労働経済のゼミに入ったのは、先生が優しそうで、人気があるゼミだったから。他のコースの国際経済の授業なども履修していました。はじめて海外に行ったのは、大学生。選択授業のフィールドワークで2年連続でタイへ。タイの環境問題のフィールドワークでした。企業の環境活動(石油企業の大気汚染対策)やマングローブの植林をやっている現地NGO、JICAの活動を見学させて持った記憶があります。余談ではありますが、NPO/NGO界隈には、立命館大学出身者が結構います。
大学では、教職課程や資格取得などの課外活動をやっていたので、ほとんどサークル活動はやっていません。教職は、中学社会、高校地歴・公民の3つを持っています。資格は、一般旅行業務取扱主任者、国内旅行業務取扱主任者、初級システムアドミニストレータを持っています。旅行会社に就職したかったので、資格以外にアルバイトでは金閣寺特別拝観の案内(短期)、ホテルの皿洗い、バスツアーのコンダクターなど旅行関係を選んでいました。卒業旅行は、パックパッカー初心者の王道だったメコンの国(タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス)1か月の旅でした。
就職、そして社会人大学院に進学
富士通株式会社へ入社。システムエンジニア(SE)を目指していましたが、営業部門に配属。飛び込み営業やセミナーの企画・実施など主に新規顧客開拓を担当。社会人2年目に、アタッカーズ・ビジネス・スクール(大前研一氏の)に参加。そこで、グラミン銀行のムハマド・ユヌスに代表されるような社会起業家の存在を知りました。利益を求めながらも、社会問題も解決するビジネスへのあこがれ、関心が高まったものの、同僚や友人に相談できる人がなく、大学院進学を真剣に考えるように。
社会人3年目の春、富士通に勤務しながら、設立してまだ2年目だった立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科(英文名:MBA in Social Design Studies、とりあえずMBA。実は早稲田大学大学院アジア太平洋研究科を受験するも、不合格)へ進学。非営利組織や社会的企業のケーススタディ、マネジメントやマーケティングなどを研究。多様な世代と同じ教室で学ぶ、豊かな経験をしました。2003年頃は、ソーシャルビジネスプランコンテストが行われたり、CSRが注目されはじめたり、社会起業家に関する本が出始めたり、と、なかなかいい時代でした。
修士2年のときには、富士通を退職して修士論文(研究報告書)の執筆に集中。株式会社大地/大地を守る会(当時の社名)、オルター・トレード・ジャパン/日本ネグロスキャンペーン委員会(当時の社名)、にんじんの会/ケアセンターやわらぎという活動分野が異なる3つの組織体をケーススタディし、運動をどのように事業化するか、成長要因をさぐりました。ソーシャル・キャピタルという当時注目されていた概念を用いました。退職したかいがあり、この修士論文で優秀論文賞を受賞しました。
研究をしながらも、NPOにも参加していました。環境系NPOのThink the Earthプロジェクトでインターン(初のインターンだったみたいです)、立教大学でダイアログ・イン・ザ・ダーク(視覚障害者支援、ソーシャルエンターテインメント)の開催、国際協力NPOシャプラニールでの事務局ボランティアなど、大学院での経験がその後の生活にとても影響を与えています。大学院の卒業旅行は、環境先進地域の北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)とダイアログ・イン・ザ・ダーク発祥の地ドイツのハンブルグでした。
企業のCSR支援から、いよいよNPOへ
大学院修了後は、環境報告者やCSR報告書の企画・制作支援を行うゼネラル・プレス株式会社(当時の社名)に入社。結局2年強しか在籍しませんでしたが、編集やデザイン、クリエイティブに関して多くのことを学ばせてもらいました。この経験があったからこそ、NPOで広報の仕事ができたとも言えます。
そしていよいよ国際協力NPOである特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会に入職。フェアトレード部門の公募で応募したものの、「広報担当者のポジションが空くから」ということで、広報として入職。最初から広報部門で公募だったら、採用されていなかったかも。2007年8月から2015年10月まで在籍していたわけですが、本当にいろいろやりました。
ちらしやパンフレットはほとんど自分で作っていましたし、ニュースレターは企画、取材、原稿作成、カメラ、編集、ディレクション、印刷入稿とほとんどのプロセスを担当。おかげさまで、制作会社在籍中でも使っていなかったアドビのInDesignやPhotoshopなどのクリエイティブ系のアプリもすこしはできようになりました。
ウェブサイトやメディア対応は2009年頃から担当し、業務の引継ぎはありましたが、宣伝会議の「広報担当者養成講座」などにも参加し、トレンドや戦略はイチからの勉強でした。SEO、プレスリリースなどは特にやりがいがありました。
バングラデシュ・サイクロン被災地支援緊急募金(2007年)、東日本大震災・緊急募金(2011年)、ネパール大地震・被災地支援緊急募金(2015年)などもありますが、2012年の設立40周年事業が思いで深いですかね。ロゴを変えたり、ソーシャルクリエイティブをテーマにしたシンポジムを開催したり、ポスターデザインコンテスト、バングラデシュ写真展、寄付・入会キャンペーン等々を広報の立場からかかわりました。企画の最初しかかかわれなかったけど、他のNPOと協働でエシカルタレントと作った書籍も刺激的でした。
2013年にはバングラデシュ駐在員も行かせてもらいました。バングラデシュでは日本での広報経験を生かして、児童労働の削減キャンペーン、アドボカシーキャンペーンなどをもっとやりたかったのですが、心残りです。
バングラデシュから帰国してからは、寄付者・会員の窓口業務などを行いました。夏の募金キャンペーンの企画やマンスリーサポーターの拡大施策などを実施しました。既存のマンスリーサポーターへ500円/月の増額をお願いするワンコインアップキャンペーンは手ごたえをつかみました。シャプラニールでの最後の仕事は、ネパールからフェアトレード団体の代表を呼んでの全国講演ツアー(キャラバン)です。東京でやったイベントはネパール応援イベントとして、講演だけなく、フェアトレード商品の販売会や生産者体験などさまざまな企画を組み合わせました。
シャプラニール退職後は、マザーズ上場企業の広報部門でウェブサイトや社内報などコンテンツデザインを担当したり、中間支援組織で事務局業務を担当しました。
伴走支援者としての心構え
通算9年間以上、非営利業界/市民セクターに身を置いていました。その間、さまざまなプロボノや企業の社会貢献プログラムで広報やファンドレイジングの支援を受けてきました。知識の獲得や計画づくりと言った戦略レベルには伴走してくれますが、具体的な実践、戦術レベルにはなかなか伴走してくれません。この経験があって、実践や戦術レベル、成功経験まで伴走し、現場の皆さんと一緒に汗をかいて目標達成の喜びを共有することが私の基本的な心構えです。コンサルタントではなく、コーディネーターとして、社会問題の解決を目指して日本全国・世界各国で奮闘する市民活動団体やボランティアグループといったNPO/公益法人のお役に立てるよう、現場感覚を大切にしていきたいと思っています。
保有資格/免許
- 比較組織ネットワーク学修士(MBA in Social Design Studies)
- 一般旅行業務取扱主任者
- 国内旅行業務取扱主任者
- 初級システムアドミニストレータ
- 中学社会科教員免許
- 高校地理歴史教員免許
- 高校公民教員免許
趣味
海外旅行
行った国・地域・観光地:
タイ、カンボジア(アンコールワット)、ベトナム、ラオス、インドネシア(ボロブドゥール遺跡、バリ)、マレーシア(ボルネオ)、ミャンマー(バガン、インレー湖、チャイティーヨー)、パプアニューギニア、中国(北京、九寨溝、黄龍、成都、上海)、台湾、韓国、バングラデシュ、ネパール、スリランカ、ヨルダン(ペトラ遺跡)、イスラエル、パレスチナ、トルコ(イスタンブール、カッパドキア)、スペイン(バルセロナ、サン・セバスティアン)、フランス(パリ、ストラスブール、モン・サン・ミッシェル)、ベルギー、オランダ(キンデルダイク、ロッテルダム、ユトレヒト)、ドイツ(ケルン)、スイス、イタリア、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、エストニア、ボリビア(ラパス、ウユニ塩湖)、ペルー(クスコ、マチュピチュ)
御朱印集め
海外旅行だけでなく、国内旅行もいきます。寺社仏閣に行ったときは、ありがたく御朱印をいただいています。
読書
東野圭吾さん、原田マハさん、有川浩さんの小説はよく読みます。ジャンルでは、ミステリー、警察小説、仕事や料理をテーマにしたものが多いかもしれません。
スポーツ観戦
野球(横浜DeNAベイスターズ)、サッカー(横浜F.マリノス)、ラグビーやアメフトも機会があれば見ます。