NPO広報担当者が知っておきたいフレームワーク

NPOの広報担当者は、さまざまなことを考えて企画書や原稿にしなければなりません。考えるべきポイントをパターン化して抽象化したものがフレームワークです。NPOで広報を担当する方なら知っておきたい、メッセージやストーリーを考えるときに参考になるフレームワークをご紹介したいと思います。

5W5H

皆さんが知っている、When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の5W1Hの派生形です。How(どのように)を深く掘り下げたパターンです。How to(どのように)、How much(いくら)、How many(いくつ)、How long(いつから、いつまでに)、How in future(今後の将来像、方針、展開方法)を指しています。活動や事業の目標を伝える時に参考になるフレームワークです。

YTT

Yesterday(過去)、Today(現在)、Tomorrow(未来)の頭文字を取ったフレームワークがYTTです。とてもシンプルで、広報ストーリーを考える際に参考になるフレームワークです。プレスリリースの本文やクラウドファンディングのプロジェクト紹介文を書く場合に参考になります。

3C

NPOは、少なくとも3Cのメッセージが必要になります。Challenge(課題)、Cause(原因)、Cure(解決策)です。「課題に関するメッセージ」は、子どもの貧困や気候変動など団体が取り組んでいる大局的な問題を説明します。「原因に関するメッセージ」では、なぜその問題が存在するのか、その根本的な原因に触れます。そして、「解決策のメッセージ」は、課題に対する解決策・活動内容を明示します。

5C

ニュースレターなどで事例紹介・ケーススタディを書くときに参考になるフレームワークです。読者とつながるため(Connection)に読者と共有できる価値観や感情などから書き始めて、主人公(Character)を紹介し、主人公が直面する葛藤(Conflict)を中心に現状や問題認識を描き、葛藤を解決する解決策(Cure)、つまりNPOの活動を説明します。寄付やボランティアへの参加など行動喚起(Call to action)を行い、最後に結論(Conclusion)として将来像を述べるものです。

5S

5Sと言えばSeiri(整理)、Seiton(整頓)、Seiso(清掃)、Seiketsu(清潔)、Shitsuke(しつけ)を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、プレゼンテーションなどで参考になる5Sもあります。Situation(相手が想像できるシーンを想定して話を始める)、Strongest(もっとも重要な主張を提示する)、Story(個人の経験談を用いて、自分の主張を裏付ける)、Shut down(あらかじめ反論に対応しておく)、Solution(解決策を提案する)となります。

SMART

目標や計画を策定するときに活用できるフレームワークがSMARTです。Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Related(ビジョン・ミッションに関連した)、Time-bound(時間制約がある)となります。Achievable(達成可能)ではなくAgreed(合意形成)、Related (ビジョン・ミッションに関連した)ではなくRealistic(現実的)をあてる方もいます。

KPT

KはKeep、PはProblem、TはTryを意味します。振り返りに活用できるフレームワークです。Keepは次回も続けるべきこと、Problemは次回に改善すべきこと、Tryは次回に新しく挑戦したいことをまとめます。Tryについては、Keepから「良かったことをさらに良くする」Tryを考え、Problemから「その問題を解決する」Tryを考えます。

ゼロから考えるよりも、フレークワークに従って考えることで、整理しやすくなると思います。これまでの活動を見直すときにもフレームワークは活用できます。すでに活用しているフレームワークもあるかもしれません。一度も使ったことのないフレームワークがあれば、一度試してみてください。

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