今年も残すところ、1ヵ月。年を越す前に、今年の秋にはどんなイベントがあったのか、振り返ってみたいと思います。「CANPAN Fields」と「ボランティア・プラットフォーム」に投稿された、9月1日から11月30日までに開催されたイベントの統計を取ってみました。どちらの情報サイトも、全国の団体が対象になっており、活動分野にも制限がありません。
CANPAN Fields
CANPANのトピックス投稿カテゴリーは、「イベント・セミナー情報」「ボランティア募集」「物品提供情報」「ソーシャル・プロダクツ」「その他」の5つに分かれています。今回は、「イベント・セミナー情報」のみを調べています。
ボランティア・プラットフォーム
ボランティア・プラットフォームのカテゴリーは、「ボランティア」「イベント」「スタディツアー」「ボランティアバス」「職員募集」「助成金」の6つになります。以下のグラフは「イベント」のみの統計になります。
解説
どちらも85%が「講座」系のイベントになっています。
「活動報告・説明会」には、活動の報告や説明のための講座になります。ボランティア説明会やキャリア説明会も含みました。活動報告に、食事会や語学講座を同時開催する工夫をしている団体がありました。また、参加者同士の交流を重視した報告会も興味深いです。
一方、「研修・勉強会」には、団体のネットワークやノウハウを活かした講座を分類しました。料理教室やコーヒーの焙煎講座、刺しゅう体験などがありました。活動報告・説明会は無料もしくは安価(500円から1,000円)で、研修・勉強会は3,000円以上の比較的高い参加費に設定する傾向があるようです。
「文化・スポーツ」には、映画上映会、チャリティラン&ウォーク、チャリティマラソン練習会などがありました。今年は、リオ・オリンピック・パラリンピックがあった影響か、パラリンピック種目(ボッチャ)体験といったイベントもありました。
「展示会・見本市」は、地域のボランティアセンターによるボランティア見本市などが投稿されていました。
「パレード・まつり」のなかで、興味深いイベントはオープンハウスです。NPOやNGOはボランティアを受け入れていることが多いため常にオープンですが、日にちを決めてオープンハウスを行うことで、家族や友人とも行けて、団体にかかわる敷居が低くのではないでしょうか。
「フィールド訪問」は、農業・林業体験、自然学校、被災地訪問ツアーです。
イベント広報で気を付けたいこと
イベント案内文は丁寧に書く
イベントに参加した人にはもちろん活動を伝えることができますが、イベント案内文そのものでも活動を伝えることができます。むしろ、参加していない人のほうが多いのですから、イベント案内文は丁寧に書きましょう。
ワークショップは専門用語
ワークショップという言葉を使ったイベントが非常に多くありました。ワークショップという言葉を使うことで、参加、共同作業、体験、ものづくり、意見交換、議論などイベントの特徴を示そうとしていることがうかがえます。しかし、そこまで一般の人には伝わらないこともありますので、より一般的な言葉、テレビや新聞で流通している言葉に言い換えたほうが得策です。ワークショップは専門用語・業界用語だと思っておいたほうがいいでしょう。
タイトルの工夫
プレスリリースなどメディア向けの広報でも一緒ですが、タイトルには、イベント名称だけでなく、イベント日時やイベント開催場所も明記されていると一目でイベント概要が伝わります。イベントの場合は、どうしても時間的・地理的な制約がありますから、「何を学べるか」「何を体験できるか」以外の情報も積極的に伝えましょう。