NPOの周年行事 傾向と対策

NPOの周年行事 傾向と対策

NPOにとって、周年は大きな広報のチャンスになります。周年を単なる「誕生祝い」にしてしまうのは機会損失だと思います。周年行事に関する取り組みをご紹介したいと思います。

「新しい支援者を獲得する」企画

周年をきっかけにして新しい支援者や協力者を獲得したいと考えるNPOも多いと思います。企業では「創業●●周年セール」のような取り組みを見ますが、NPOでも周年記念の寄付キャンペーンができます。周年寄付はいわばご祝儀で一時的な財源ですが、会員といった継続的な支援を呼び掛けることも可能です。

ファンドレイジング・キャンペーンを成功に導く4つのP

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2021.08.25

「団体の認知度を高める」企画

新しい支援者の獲得と同様に、周年をきっかけにしてNPOの認知度を高めることもできます。同じ周年のタイミングにあるNPOや企業と協働でイベントを企画する、これまでやってこなかった現場見学会(スタディツアー)を限定的に実施するなどが考えられます。周年という理由があると企業も協力しやすくなり、報道機関も関心を持ってくれます。ウェブサイトや記念ロゴなど、さまざまな広報物で周年をアピールしてください。

面白いほど取材につながるプレスリリース「3つのK」

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2017.02.08

「理念の浸透を図る」企画

活動が続いた10年、20年といった間に社会環境の変化もあると思います。また、新しいプロジェクトが増えていることもあります。NPO設立当時に描いたビジョンやミッションなどの理念を社会状況に合わせて見直し、再設定する必要があるかもしれません。周年は理念を見直すよいタイミングになります。歴史をまとめた周年記念誌を発行するNPOもあります。歴史をまとめる過程で、大きな経営判断があったときどのような基準で判断がされてきたかを考えることでNPOの大切な価値観を抽出することができます。動画を情報発信に活用するNPOも増えてきました。活動内容だけでなく理念を動画で伝えるのもいいかもしれません。

「感謝を伝える」企画

NPOの周年行事は、職員が一方的に会員やボランティアスタッフへ感謝を伝えるスタイルはなじみません。職員も役員も会員もボランティアも、ともに周年を祝うというスタイルが良いと思います。たとえば、助成団体や行政関係者を来賓に迎えた式典や記念パーティーなどがありますが、事務局職員だけでなく、役員や会員、ボランティアスタッフを含めた実行委員会形式で企画すると参加と協力を志向するNPOらしくなると思います。また、名誉会員、特別会員など創設し、長く団体への貢献している会員を表彰することも考えられます。

寄付者別に考える感謝を伝える12の方法

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2021.12.08

周年行事といえば、10周年、20周年、25周年・・・と5年や10年ごとに検討しますが、干支に合わせて12年毎の実施(年男/年女)もいいかもしれません。周年行事のポイントとなるのは、テーマ設定です。テーマを考える上で、忘れてはいけないのが「感謝」です。周年を迎えるまで支えてくれた「支援者に対する感謝」の要素は必須です。周年記念は、これからのNPOのビジョンをつくるチャンスであるとともに、これまでの歴史を振り返るきっかけにもなります。未来と過去をバランスよくテーマ設定に盛り込んで、周年記念を使って広報に取り組んでみてください。