NPOが信頼を築くための3つの要素

すべての組織は、お金を出してくれる人と信頼関係を築かなければなりません。企業にとっては、お金をもらう代わりに、高品質の商品やサービスを提供することで信頼関係が築けます。一方、NPOの場合は、お金を出してくれる人(寄付者や助成団体)に対して、そのお金で社会を変えるという約束で信頼を築かなければなりません。NPOが信頼を築いていくための3つの要素を考えてみたいと思います。

透明性(Transparency)

NPOは、形としての見える商品がなく、無形のサービスであることがほとんどです。しかも、お金を出してくれる人からは、その品質を確認することが困難なサービスを提供しています。団体の運営も容易にはわかりません。そのため、NPOはお金を出してくれる人に対して、資金の使い方、組織運営、成果などについて説明責任を負っています。NPOには会員、寄付者、助成団体、所轄庁、一般市民など、多くの関係者がいます。これらの異なるステークホルダーグループを理解し、丁寧なコミュニケーションが必要になります。

本物性/信ぴょう性(Authenticity)

本物であることは、不完全であると示す勇気です。団体の成功したことやうまくいっていることを伝えたくなりますが、それだけでは信頼を築くことはできません。なぜなら、多くの人々は100%完璧なものはないと知っているからです。あなたの失敗したことやうまくいってないことも見せることで信ぴょう性が高まり、信頼を築くことができるのです。また、報道では伝えきれていない、NPOが支援する人々の日常生活や経験など現実を発信することでも信頼を得ることができます。本物であることは、本当のことを示すことです。

一貫性(Consistency)

常に「言っていること」と「やっていること」に一貫性があることで信頼を築くことができます。NPOが言うことには、団体のビジョンやミッション、行動規範といった理念があります。理念に沿わない行動をしているとNPOの信頼は失われていきます。理念と年度初めに立てた計画や助成金申請書で書いた計画、中長期計画が一貫していることで信頼が得られます。また、ミッションやビジョンが誰にでも理解できる明確な表現ではないというだけで、信頼が疑わることもあります。策定した計画はしっかり実行・実践するという一貫性も信頼獲得には重要です。

信頼は「NPOの通貨」とも言われます。 NPOの活動内容は多様ですが、 NPOにとって信頼が最も価値のある資産であるということは共通です。信頼についての考え方は、NPOで働くスタッフひとりひとりにも当てはまることかもしれません。

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