NPOの活動を伝えるジャーナルコミックという手法

団体の活動内容だけでなく、団体が取り組んでいる社会的課題そのものについても知らせていくことは、NPO/NGOの広報担当者にとって大きな仕事です。過去に「社会的課題を伝える3つの手法」として、「●●が100人の村だったら」「ホワイトペーパー(白書)」「インフォグラフィックス」をご紹介しました。

この3つのほかにも「ジャーナルコミック」という手法もありますので、ご紹介したいと思います。ジャーナルコミックとは、漫画(コミック)が持つエンターテインメント性に、ドキュメンタリー要素を組み合わせたもの。重くて、難しいテーマであっても、感覚的に受け入れやすくなります。たとえば、出版社各社が「日本の歴史」「世界の偉人」をテーマにした漫画を出版しています(学習用漫画と言っています)。ご存知の通り、漫画(マンガ)文化は、日本発祥です。また、テキストが少ないため多言語化も比較的容易です。日本の文化やブランド力を生かして、NPOやNGOが取り組んでいる社会的課題を世界に発信できる手法になると思います。

すでに「ジャーナルコミック」に取り組んでいるNPO/NGOがあるので、事例をご紹介したいと思います。

「14歳の兵士 ザザ」(赤十字国際委員会)

「BLUE HEART」(ライトハウス)

「再び歩む~犯罪被害者になるということ~」
(千葉犯罪被害者支援センター)

「テラ・ルネッサンスⅠ」「テラ・ルネッサンスⅡ」
(テラ・ルネッサンス)

「地雷ではなく花をください」「サニーちゃん、シリアにいく」
(難民を助ける会)

最後にご紹介した「地雷ではなく花をください」「サニーちゃん、シリアにいく」は、コミックではなく絵本なので、正確にはジャーナルコミックとは言えないかもしれませんが、掲載いたしました。

犯罪被害や人身売買(性被害)、少年兵や地雷、紛争など、NPOやNGOが取り組む課題の中でも特に伝えることが難しく、重い課題がテーマになっていることが興味深いと思います。また、社会的課題そのものを伝えるもの、社会的課題に取り組む人に焦点をあてたもの、NPOやNGOの活動内容に焦点をあてたものなど、ストーリーのつくり方も工夫ができそうです。活動分野にかかわらず、ジャーナルコミックはさまざまな形で活用できるのではないかと思います。

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