非営利団体(NPO)のビジョンのつくり方

非営利団体にとって重要だと言われる「ビジョン」と「ミッション」。「ビジョン」とは、団体が実現したい未来の社会や団体が理想とする社会をイメージさせる文章です。ビジョンは活動内容やプログラムを説明するものではなく、社会のイメージを伝えます。一方、「ミッション」(「使命」「社会的使命」)は、その団体が何をしているか、何のために存在しているかを宣言する文章です。ビジョンを実現するために団体の取り組む活動がミッションと言えます。または、ミッションを遂行することで実現する未来社会がビジョンになります。今回はビジョンのつくり方について考えたいと思います。

ビジョン、ミッション、バリュー

ひとりで作らない

ビジョンは団体が進むべき方向性を明確にするために代表や創業者といったリーダーが単独で作られる場合もあります。しかし、ビジョンは作ることより浸透させることのほうが難しく、重要です。理事や職員、ボランティアなどの関係者と一緒に作り上げることによって、ビジョンを作成しながら浸透させることもできます。 ビジョン作成に関わることが難しければ、ヒアリングやアンケートだけでもいいでしょう。

身内だけで考えない

ビジョンは、団体の歴史、専門性、経験や実績など、団体がすでに持っている団体の価値をもとにした、その団体オリジナルの文章になります。しかし、団体内や団体に近いメンバーばかりで考えると独りよがりのビジョンになりかねません。世の中の流れや社会との接点も考慮して考えることが必要です。たとえば、国連機関や国際機関が発表している目標や宣言、枠組みなどを参考にして、自分の団体に合いそうなビジョンの表現を探してみてください。

短時間で作らない

ビジョンが一日でできることはありません。むしろ一日で完成させないほうがいいでしょう。早く完成させることよりも、時間をかけて納得感のあるビジョンにすることのほうが重要です。一度ビジョンをつくると頻繁に作り変えることは難しくなります。社会状況の変化があっても意味を失わず、長期的に活用できるビジョンを見つけてください。

長文にしない

ビジョンは簡潔・明瞭に表現するのが理想です。なぜなら、簡潔・明瞭にすることで、覚えやすく記憶に残りやすくなるからです。覚えやすくすることで、誰からでも他人に伝えやすくなります。簡潔なビジョンの鍵は、自分の団体が解決する社会的課題の解決に焦点を当てることです。団体が取り組んでいる社会的課題がない社会とはどのような社会なのか想像してみてください。

理性・理論だけで考えない

ビジョンは、現実とかけ離れた社会であると同時に、素晴らしい夢や魅力的な結果、望ましい変化と言い換えることができます。自分たちにとっての理想がビジョンとして表現されるわけで、ビジョンで描かれた社会を想像するだけでやる気や興奮、熱意、挑戦などのポジティブな感情を呼び起こすものでなければなりません。理性・理論だけでなく感性・感情の側面からもビジョンを検討する必要があります。ただし、ひとりの感性だけでなく多くの人の感性を取り入れることが肝要です。

非営利団体にとって、ビジョンは単なる声明ではありません。ビジョンは団体の信念を表すものであり、倫理観であり、実際に行われる活動の指針です。自然災害の激甚化や感染症の拡大など想定外のことが起きています。想定外のことが起きる状況ではこれまでの経験による判断は難しくなります。経験による判断ができないときは団体のビジョンやミッションといった理念による判断が求められます。団体の理念を見つめなおす良い機会になるかもしれません。

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