認知度を測るには

NPOの事業計画や広報計画には、「認知度を高める」「認知を増やす」といった目標・活動内容が書かれています。高める・増やすためには、まずはいまの認知度合いを知らなければなりません。いまの状況がわかなければ、高まったのか、増えたのか判断できません。今回は、認知度の測り方を考えてみたいと思います。

ソーシャルメディアのフォロワー数

TwitterやInstagram、Facebookなどのフォロワーは、あなたの団体を認知しています。この数を測ることは認知度を知る目安になります。ただし、簡単にフォローを外すことができます。フォロワーが減ったからと言って認知が下がったわけではないことに注意が必要です。

検索エンジンにおける団体名による検索数

NPOの団体名やその団体でしか使っていない名称、活動内容の検索数を使って認知度を考えることができます。団体名が検索されているということは、それだけ団体名が広まっているということです。Googleの検索ボリュームは、Google AdsキーワードプランナーやGoogleトレンドなどで調べることができます。

団体ウェブサイトへのアクセス数

多くの団体がウェブサイトを使って情報発信をしていると思います。ウェブサイトへのアクセス数(訪問回数)も認知度を測る指標になります。Google Analytics(グーグルアナリティクス)を使えば無料で測定することができます。

メールマガジン登録者数

メールマガジンの登録者は、少なくともあなたの団体を認知している人になります。登録者リストの規模を測ることは認知度を測る方法です。登録解除者数も含めてのリストの規模で測ります。

アンケート調査

費用は掛かりますが、アンケート調査で認知度を測ることができます。全国で活動している団体であれば、一度挑戦してみる価値はあると思います。インテージやマクロミルなど、インターネットを使うアンケート調査であれば、それほど費用は掛かりません。

これらの測り方の中には認知に加え、何らかの行動をした人を測っているものもあります。検索をした人、フォローをした人、メルマガ登録をした人でなければ対象にはならず、ただ団体名を知っているだけの人は測れません。また、寄付額・寄付者数を認知度の指標にすることはおすすめしません。認知度が高まった結果、NPOへの寄付が増える可能性はありますが、認知度はその一歩手前、二歩手前の状態です。

団体名の認知以外にも、使命(ミッション)、社会問題、解決策を認知させたい場合もあります。「認知度」という言葉は、よく聞く言葉なのでなんとなく納得感があります。認知が低ければ、寄付もボランティアも会員も利用者も増えないという理由から、まずは存在を知ってもらう(=認知を高める)という目標を設定しがちです。認知度というのは、「意識していない/気にしていない」から「意識している/気にしている」への変化です。ひとの意識というのは曖昧で、測定は簡単ではありません。団体の存在を知ってもらうよりも、魅力的な行動喚起や参加機会の提供が重要なことも多いので、認知度の向上だけにとらわれずに広報の行動計画を立てるとよいと思います。

NPOのイベントを強くする

2021.08.04

NPOが企業と取り組むファンドレイジング・パートナーシップ

2021.07.28

中間支援NPOの広報・ファンドレイジング

2020.11.19

NPOの活動を見つけてもらうコンテンツマーケティング事例

2017.01.19

クラウド・ファンドレイジングとコミュニティ・ファンドレイジング

2016.11.30