クラウドファンディングのはじめ方

「クラウドファンディング(Crowdfunding)」とは、インターネットを通じて不特定多数の人に資金提供を呼びかけて趣旨に賛同した人から資金を集める方法で、「群衆」という意味のクラウド(crowd)と「資金調達」という意味のファンディング(funding)という言葉を組み合わせた造語です。クラウドファンディングはNPOやNGO、大学、病院といった様々な分野で資金調達の手段として積極的に活用されています。

クラウドファンディングの種類

「寄付型」「購入型」どちらも、クラウドファンディングの呼びかけ人(プロジェクト起草者)が目標額と期限を設定し、支援者を募ります。プラットフォームにもよりますが「寄付型クラウドファンディング」に取り組むためには様々な条件が設定されています。日頃から寄付を集めている非営利団体であっても、「寄付型クラウドファンディング」に取り組むハードルが高いため、多くの非営利団体は「購入型クラウドファンディング」でクラウドファンディングに取り組むことになります。

寄付型クラウドファンディング

「寄付型クラウドファンディング」は、集まった資金が全額寄付になり、基本的に支援者にリターンはありません。

購入型クラウドファンディング

「購入型クラウドファンディング」は、リターンとして、モノやサービス、権利といった金銭以外の特典を設定して、支援を募ります。

プラットフォーム

クラウドファンディングを行う場合、クラウドファンディングのプラットフォームを使用するのが一般的です。特に非営利団体が活用するのはReadyfor(レディーフォー)とGoodMorning(グッドモーニング)です。種類や実施形式(All-in/All or Nothing)、手数料だけで判断するのではなく、サポート体制や掲載プロジェクトを確認した上で使用するプラットフォームを決めましょう。特に、自分のプロジェクトに近いプロジェクトがどれくらい掲載されており、どのくらいの資金が集まっているかを確認しておくと参考になると思います。

Readyfor

GoodMorning by CAMPFIRE

Makuake

A-port

faavo

クラウドファンディングのはじめ方

プロジェクト内容

まず「何のために資金を集めるのか」を明確にしておく必要があります。なぜそのプロジェクトに取り組むのか、取り組むきっかけとなった出来事はなにかなど、呼びかけ人(プロジェクト起草者)自身のことを文章にしてください。そして、プロジェクト内容やプロジェクト背景(社会問題)を丁寧に整理してください。

プロジェクトタイトル

プロジェクトには30~40文字程度でタイトルをつける必要があります。専門用語やカタカナを使わずに直接的な言い回しのタイトルを考えてみましょう。また、読み手の感情に訴えるためにも、語尾は呼びかけ人の想いを表現する「~したい!!」という表現がいいと思います。

ビジュアル(写真)

プロジェクトに関係する写真は、5~7枚程度用意しましょう。写真がたったの1枚では支援者に十分な情報が伝わらず、プロジェクトに対する信頼性が高まりません。一方で、写真が多すぎると、支援者が圧倒され、伝えたいことが薄れてしまいます。SNSでシェアされるとメイン画像が 表示される可能性が高いので、メイン画像にはプロジェクトタイトルを入れておく加工をする工夫も必要です。

目標

「プロジェクトを開始できる最低限の金額」という視点から目標額を設定してみてください。クラウドファンディングで集めた資金を何に使うのか、しっかりとした算出根拠が重要です。クラウドファンディングプラットフォームに支払う手数料やリターンの費用を忘れずに計算に含めてください。

リターン

購入型クラウドファンディングの場合、リターンは設定しなければなりません。プロジェクトには形のある成果物がない場合もあるでしょう。必ずしもモノである必要はありません。プロジェクト報告書や感謝状のほかに、限定イベント参加権、特別なボランティア体験、現場訪問、特別なメッセージ、出張講演の機会などが考えられます。受け入れのコストや手間を考えて、限定数を設定することもあります。

期間

長い期間を設定すれば、それだけ多くの資金が集まるということではありません。はじめてクラウドファンディングに挑戦する場合、45~60日程度で設定するのが一般的です。発送物やイベントなど、情報発信や人と会う機会が多い時期を狙って期間を設定することも検討してください。

3分の1法則

クラウドファンディングはプロジェクトを知ってもらわなければ、支援者を集めることができません。そのために、ウェブサイトやSNS、会報誌、プレスリリースなど、広報活動の棚卸を行い、どのような手段でクラウドファンディングを告知できるか洗い出しておきます。手段ごとにどれだけの人に伝えることができるか、人数を算出しておくことも大切です。

クラウドファンディングには「3分の1法則」と言うのがあります。3分の1は「すでに知っている人からの支援」、3分の1は「すでに知っている人の友人や知人からの支援」、3分の1は「新規者からの支援」という法則です。目標額の3分の1を今の広報活動で集められそうか検討し、難しそうであれば目標額を下げるなどの対策をしてください。

「支援が集まる」ではなく、「支援を集める」という積極的/能動的な働きかけがなければクラウドファンディングは成功しません。しっかりと準備を行いましょう。

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