寄付者別に考える感謝を伝える12の方法

寄付者が増えないと悩んでいるようであれば、その理由は寄付者に適切なお礼をしていないことが原因かもしれません。新規寄付者の獲得に注力し、いまの寄付者の維持を犠牲にしてはいませんか。はじめての寄付者、継続的な寄付者、大口寄付者の3つに分けて感謝を伝える方法を考えます。

はじめての寄付者

はじめての寄付者に感謝の気持ちを伝えることは、長期的な支援を維持するために非常に重要です。初めての寄付者に感謝の気持ちを伝えることで、より多くの活動に参加してもらい、2回目の寄付に協力してもらえるように道筋をつけます。

1.寄付受領直後のメール

クレジットカードを使ったオンライン寄付の場合、寄付金を受け取った直後の自動発信メールを「処理完了通知メール」にしておくのはもったいないです。このメッセージには、寄付者の名前と寄付額を差し込んで、「ありがとうございます」という感謝を伝える内容に修正してください。

2.郵送によるお礼状

オンラインで寄付した方へも郵送でお礼状を届けるようにしましょう。人は画面で読むよりも紙で読んだほうが、情報の吸収や保持がよくなり、よい印象が長く続きます。寄付受領直後のメールと同様に、寄付者の名前と寄付額を差し込み印刷して、寄付者それぞれに合わせた手紙にしましょう。

3.ミッションに関する追加情報

寄付者は組織に寄付するのではなく、ミッションに寄付すると言われます。年次報告書や活動紹介パンフレット、ニュースレターなど、ミッションや活動実績がわかる資料を寄付者に送りましょう。寄付の効果を示すことにもつながります。

定期的な寄付者

マンスリーサポーターといった定期的な寄付者には、継続して感謝の気持ちを伝えましょう。財政的な支援を求める代わりに、イベントやボランティアなどへの参加を提案し、ミッションや活動をさらに知ってもらいつつ、参加の場で感謝を伝えるようにします。

4.イベントの開催

寄付を集めるためのイベントではなく、寄付者に活動を報告し感謝の気持ちを伝えるためのイベントを開催しましょう。イベントは寄付者とスタッフが交流し、持続的なつながりを作るのに最適な方法です。

5.ボランティアの機会

ボランティア活動は、感謝の気持ちを表すアイデアとは思えないかもしれません。しかし、ボランティア活動は、あなたの活動が受益者にどのような影響を与えているのかを寄付者に間近で見てもらう機会となります。その影響を目にすることができれば、あなたの組織と個人的なつながりを持つことができるでしょう。イベントと同様に寄付者とスタッフの交流・持続的なつながりを作る機会にもなります。

6.継続的なコミュニケーション

継続的な寄付者には、活動の進ちょく状況を伝えるようにしましょう。活動の最新情報をメールマガジンで配信したり、ソーシャルメディアに投稿したりすることで伝えることができます。予算が確保できるようであれば、ニュースレター(会報誌)を発行し、郵送で届けることもできます。継続して感謝の気持ちを伝えることが寄付を続けるモチベーションになります。

7.感謝の気持ちを込めた記念品

記念品を贈ることでも感謝を伝えることができます。たとえば、5年目、10年目などの節目のタイミングに記念品を贈ると喜ばれますし、感謝を形で示すことができます。その記念品を見るたびに寄付した団体やミッションを思い出すことにつながります。Tシャツやマグカップ、エコバッグ、ピンバッジといったノベルティグッズなどが考えられますが、寄付に対価性があると言われないように必要以上にお金をかけすぎないことがポイントです。

大口寄付者

金額に応じて感謝の仕方を変える工夫もできます。大口寄付者はあなたの活動に大きな貢献をしています。大口寄付者に感謝することにもう少し重点を置き、時間と手間をかけることは当たり前とも言えます。

8.電話

大口の寄付を受領して48時間以内に、電話で感謝の気持ちを伝えます。代表理事や事務局長など団体の責任のある立場の人間から電話を掛けるのがいいでしょう。お礼だけではなく、寄付に行った経緯や団体に対する期待など簡単にコミュニケーションを取るようにします。

9.感謝状や寄せ書き

電話で感謝を伝えても、手紙によるお礼状は必要です。テンプレートのビジネスフォーマットのお礼状ではなく、大口寄付者には完全に個別の手紙を書きます。大口寄付者に対してさらに工夫するとすれば、感謝状や寄せ書きがあります。それぐらい大口寄付者には時間と手間をかけてもいいと思います。

10.ウェブサイトや年次報告書で名前を公表する

匿名を希望する寄付者もいますが、氏名の公表を認めていればウェブサイトや年次報告書、ニュースレターなどで寄付者の氏名を公表することも感謝につながります。施設を運営している団体は、寄付者の名前が入った銘板を設置してもいいと思います。設置する場所は、目立たない場所ではなく、人通りが多い玄関や入口付近がいいでしょう。寄付者本人にも見ていただけますし、将来の寄付者が大口寄付者の名前を見て、その人と一緒に評価されたいと思って寄付をする動機につながるかもしれません。

11.大口寄付者限定イベントの開催

大口寄付者に限定してイベントを開催することもできます。限定イベントを開催すれば、大口寄付者同士や役職員と交流することができます。代表や事務局長が参加する昼食会や夕食会、オフィス見学や現場視察を組み合わせてもいいと思います。

12.個別訪問や個別ミーティング

助成団体から助成金をもらったら個別に訪問して報告すると思います。同じことを大口寄付者に対しても行いましょう。大口寄付者に対する訪問を設定して、団体の現状や活動の進ちょくについて意見を交換する機会をつくります。

感謝の気持ちを伝えること(伝え続けること)が、お金をかけずに寄付や支援を増やす最高のファンドレイジング戦略なのかもしれません。次の寄付のお願いをする前に、どれだけ「ありがとう」という感謝の気持ちを寄付者に伝えることができているか見直してみましょう。

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